額風ガラス窓付き漆器用ディスプレー~使用例

額風ガラス窓付き漆器用ディスプレー(使用例)

額風ガラス窓付き漆器用ディスプレー(使用例)

額風ディスプレーの必要要件

お客様から求められた機能は、次のようなものでした。

高価で貴重な漆器製文箱の展示

伝統工芸品の高級漆器製文箱を展示会に出品する際の専用ディスプレーとすることでした。
文箱は、戦前に腕利きの京都の職人が製作し、数百万円以上もする高額で貴重な漆器でした。
写真にその実物が写っています。左から、フタ。雲と月の形状の付属物、身になります。
文箱として使用する際は、身に筆と雲と月の付属物を収納し、フタをすることになります。
文箱の様子がよくわかりように配置されています。

展示スペースに合わせた設計

日本(東京)、海外(アメリカ)の2カ所で展示会に出展します。各展示会場でのスペースを考慮したうえで、サイズやディスプレー方法などの仕様を最適化させる必要がありました。

見せ方のこだわり

魅せ方に対して2通りの要望を満たす必要がありました。また展示品を保護するためにも全面はガラスを用いてディスプレーすることにしました。基本構造は、箱/ケースになります。

壁にディスプレーする(吊るす収納)

額のように展示場のブースの壁につるせること。すなわち、展示品が垂直の状態で閲覧できる必要がありました。

展示台でのディスプレー(水平展示)

場合により、腰の高さ程度の展示台に合わせ、ディスプレーも可能なこと。すなわち、展示品が水平の状態で閲覧できる必要がありました。

交換を容易にする

展示品は先人が製作した伝統工芸品の高級漆器製文箱であり大変貴重な漆器でした。傷めないように安全で容易に交換や着脱や交換できる必要がありました。

お客様の要望

展示スペースにカスタマイズ

最大横幅に制約

展示スペースの都合上、最大横幅に限界がありました。したがって、ディスプレーオプションやパーツ等の付属品の選択や配置に制限がありました。

額のように紐1点で支える

会場の展示方法の都合上、吊るす際は、紐により1点で重量を支え、閲覧者に見やすくするため適度な傾斜を設ける必要がありました。

複数のディスプレー方法に対応

展示台に立て掛けてディスプレーすることが考えれました。開閉用留め具により、立て掛けることが阻害さないように留め具を横方向からロックすることが求められました。

額風機能

文箱のデザインを多く露出させるため、支える部分は必要最小限にしたいとのことでした。
高級漆塗文箱が、ほぼ垂直のに立て掛けた状態でも落下させないようにする必要がありました。
文箱の底面部のわずか10mm程度で文箱を支えるようにしました。

交換着脱は前面から

額の場合、裏面から交換します。しかし、その構造では貴重な漆器を天地を逆にすることになり、リスクが大変多いと判断しました。そのため、交換ならびに着脱は正面から行えるようにしました。額の構造ではなく、ガラス窓がついた箱/ケースに紐を取り付け、額風にアレンジしたような構造にしました。
フタを開閉しても倒れない構造にしました。また開閉動作時も可能な限り容易となるようにしました。

展示会出展の短納期優先

展示会までの日程がタイトであったため、納期を満たしつつ、お客様の要望を最大限に取り込むよう配慮しました。通常の製作工程より進捗管理を厳密に行うと同時に日々進捗をお客様に報告し、都度その状況に応じたお客様の最新の要望をヒアリングし、濃密な情報交換を行いました。展示会までに、無事商品を引き渡すことができました。

パーツは視野外へ

閲覧者の視線を文箱に集中させるため、閲覧者から見えるディスプレー部には、パーツオプションや付属品などは、直接視野に入らないように工夫しました。

オーダーメイドのポイント

希望に合わせた仕様

要望や希望をヒアリングを行いながら聞き取ります。場合により、職人を同席の上、技術的課題や複数の解決方法を模索します。それを踏まえ、お客様の意図を汲み取り、最大限の条件を満足するような仕様を提示します。その仕様に基づき再度ヒアリングを行い、ブラッシュアップを行います。

濃密なヒアリング

ヒアリングを行いながら、お客様の意図を汲み取り最大限すべての条件を満足するように取り組みます。場合により、職人を同席の上、技術的限界を考慮して克服を試み、お客様の求められる高いハードルを越えるようきめ細やかな対応を行います。

特注対応

漆器の形状にジャストフィット

文箱は身、フタ、雲と月柄の3パーツで構成されます。収納個所を全面のウレタンにすると抑えの力が不均一になり落下の危険性が生じます。この3パーツに仕切りを入れそれぞれの区画に分割します。
支える厚さはパーツにより異なり、5mm程度から10mm程度で、大変薄いものでした。ウレタンのくぼみの形状を、弊社で培ったノウハウを織り交ぜた形状にすることで、クッションの抑え具合の微妙な調整を行い、文箱を傷めず傾斜のある展示でも落下しないようにすることができました。

小口対応

規格外、定形外、特殊な形状やサイズのものも1個口から対応します。

納期と仕様策定のバランス

ヒアリングを行いながら、お客様の仕様のブラッシュアップと納期を考慮した生産計画に基づき、タイムリーに商品の設計・生産を行います。

丁寧な仕上がり

自社の職人が、ひとつひとつパーツから全体まで、細部にわたって手作りしています。
一個小口の特注仕様でも、個別に丁寧に製作します。

素材

・芯材  ・装丁用外装レザー
・ガラス ・ウレタン ・リボン

サイズ

約870mm×360mm×60mm(突出部を含む)

正面写真

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